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「頤(おとがい)」も役に立つことがある [推薦図書]

健さんが亡くなられた後テレビで古い映画が特集されて多くの方が観られたことと思いますが、人類学者の香原志勢(こうはら ゆきなり)先生が2014年11月に亡くなられたときreizanは先生の「顔の本」(初版本)を読みました。

顔の本.jpg

222ページの中身は、すべて顔や顔の中のパーツの話で埋められています。良くもまあここまで書くことがあるものだと感心するぐらい微に入り細に渡って綴られています。

先生がテレビに出られたときの、「美男美女はむしろ不幸」という話には喝采を贈りました。

『人間はハンサムでなく、また美人でないことにより、あらためて、自分の顔と人格とに対決し、そして、それをのりこえ、また、それに親しむことを通じて、もう一つの自分を見つけることができるのである。そのように考えれば、そういう対決の機会のない美男美女は、むしろ不幸であるともいえる』とまで公言されたそうです。

reizanの顔も「そうだそうだ」と申しております。

また、こんなのは知りませんでした。
『日本語では、唇とは赤い部分をさすが、英語や解剖学用語では、皮膚の部分までをいう。したがって、鼻の下の部分まで上唇ということになる。つまり鼻ひげは上唇にはえているというのがヨーロッパ人の考え方である。』

知らないことばかりで、最後まで驚きと感動の繰り返しでしたが、一つだけ先生が知らなくてreizanが知っていることがありました。
それが「頤(おとがい)」の働きです。

人類が進化する過程で咀嚼器が退縮しています。(横から見ると、前面に飛び出していたものが垂直に近くなっています。)
ところが、『下顎底は退縮がおくれ、結果として「あごさき」だけがとりのこされる。これを「おとがい」という。英語でchinである。このおとがいは突出しているので、なにかの役に立ちそうであるが、とりたててあげるほどのはたらきをもたない。』

ブッブー。残念でした。
おとがいは、尺八を吹くときに大変重要な働きをします。顎当たりを支えて下に落ちないようにしてくれているのがおとがいです。
人の顔は十人十色ですから、なかには下唇から顎にかけてウイスキー樽のように膨らんでおとがいが突出していない(下唇のしたにくびれがない)方がおられます。そういう方は尺八を当てる位置がずれやすくご苦労されます。

「頤(おとがい)」って、尺八吹きには結構大切です。


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同じ考えの人がいました [推薦図書]

朝日新聞の報道問題に関心をもって勉強しておりまして、前回はバッシングの背景に迫るルポルタージュ(青木理著「抵抗の拠点から」)を読んだことを報告しました。(ここ

そして今度は、社内の有志が書かれた「朝日新聞社 日本型組織の崩壊」を読みました。

K社長会見_0001.jpg


匿名だから書ける内容がいっぱいで興味深く読ませてもらいました。外から見ていてわからない内部の力関係も書かれているので問題報道に至った経過もよく見えます。

そのなかで、「そうでしょ。自分もそう思っていました。(ここ)」という箇所がありました。

誤報に関する記者会見で、池上彰さんのコラムを不掲載にしたのは誰かを集まった記者が追及しなかったという点です。一般人であるreizanがおかしいと思っていた点について、朝日新聞の記者さんも同じ思いで指摘されています。

K社長会見_0002.jpg
《画像クリックで拡大、←クリックで戻る》

 

そのとき会場には産経新聞の阿比留編集委員も取材に参加されていたのに追及されないのが不思議だと思っていました。
他社にとっては絶対においしい話だと思うのですが、武士の情け(相身互いという意識)がはたらいたのかもしれません。



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良い本だけど入手困難 [推薦図書]

地元の図書館の新刊書をネットで検索していたら「歌舞伎座」という文字が目に入りました。

それはタイトルの一部分で本当の書名は「匠の技 歌舞伎座をつくる」です。
reizanにとっては、大好きな「大工」と「歌舞伎座」にかかわるものですから絶対に借りようと思いました。
そのままネットで予約手続きをしたら、幸いなことに誰も借りている人がいなくてすぐに借りられました。

もっと小型の薄っぺらな本を想像していたのですが、実際のサイズはA4版を心持ち大きくしたぐらいで厚さは約2㎝(227ページ)もありました。

歌舞伎座_0001.jpg

内容はきれいなカラー写真と文章で綴られていて、どちらかというと写真集と言った方が近いぐらい豪華です。また関係者以外は見られなかった建築時の光景が展開されていますからマニアでなくても垂涎ものです。

新歌舞伎座の工事が始まって初期のころの舞台付近の写真は、今では見ることのできない景色です。まだ舞台はなくて地下の奈落が見えています。舞台が載るまでは地下で使う物資の搬入口になっていたそうです。

歌舞伎座_0002.jpg
《「匠の技」より、奈落の開口》

とても素晴らしい本なので欲しいと思ったのですが、裏表紙を見たら個人で持つのは無理だとわかりました。

歌舞伎座_0003.jpg

裏表紙の下の方に「清水建設株式会社」と印字されていますから、歌舞伎座の建て替えを担当した企業から図書館への寄贈本のようです。


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本日は、お日柄も良く [推薦図書]

切っ掛けとなったのは「答えはすべて本に書いてある。」という本でした。

この本に、スピーチの参考書として「本日は、お日柄もよく」(2010年徳間書房刊。文庫本あり。)が紹介されていましたので図書館で借りて読んでみました。

 本日は.jpg

読後感想をひとことで言うと面白かったです。スピーチをするよりも自分が弔辞を読まれる可能性の方が高いので単純に物語として楽しみました。

今スピーチをしなければならない人や今後可能性のある若い人にはお薦めです。
大勢の前で話すときにツボを押さえた話ができるかどうかは、自分の自信と周りの評価に直結しますので読んでおいて損はないと思います。

内容は小説ですが筋を追って読み進むうちにスピーチのコツがわかってくるという1冊で2度お得な本です。
ビジネス書でありながら業務改善のプロセスを小説形式で紹介して大ヒットした「The Goal」(ダイヤモンド社刊。こちらも名著です。コミック版もあり。)の書き方に似ています。

 



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オーディオケーブルなどを捨てました [推薦図書]

今年(2015年)5月に出たばかりの「実家スッキリ化」という本を読んで、燃えないゴミの日に思い切ってオーディオケーブルなどを捨てました。

実家スッキリ化.jpg

団塊の世代というのは物がない時代に生まれて、それからものがあふれる時代を経験してきましたから、今までに買い込んだものを捨てるきっかけが持てずに結構しまいこんでいるものです。

reizanなどはその標本になれるぐらいため込んでいます。でもほとんどが社会的には無価値です。
自分でもいつ役に立つのかわからないのですが、いつか役に立つ時が来るかもしれないという思いで部屋の隙間を見つけては保存しています。

ちょっと前に「断捨離」という言葉がはやって、最近ではこんまりさんの「人生がときめく片づけの魔法」が世界で200万部も売れていますが余所事と思っていました。

しかし、この「実家スッキリ化」は身につまされるところがあり、少し行動に移してみました。
最終目標は住宅展示場のモデルハウスみたいに生活感のない家ですが、どこまで現状を断ち切れるか自分自身たのしみです。


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親の認知症に気づいたら読む本 [推薦図書]

生涯大学校に通っている年寄の関心事は、自身の楽しみと介護に関することが多いようです。

介護について学校で教えてくれますが授業時間が限られていますので制度解説に重点が置かれてしまいます。
本当は、介護される身になった人の気持ちや考え方も知りたいところですがそういうのは教えてもらえません。

だから、新聞の健康欄や新刊図書にも目を配っているのですが、お蔭で一つ良い本を見つけました。タイトルはそのものずばりです。
親の認知症に気づいたら読む本」(杉山孝博 川崎幸クリニック院長監修)

親が認知症_0001.jpg

章立てを見ただけでも、お世話する側になってしまった人が知りたそうなことが網羅されています。
  1. 親が認知症かも?と思ったら
  2. 認知症て何だろう
  3. 親を受診させる
  4. 親が認知症と診断されたら
  5. 認知症の親との接し方
  6. 子どもの負担を減らすために
まだボケないうちに親から子どもにプレゼントしておくというのはどうでしょう。

大変すばらしい内容ですが特別養護老人ホームの解説がちょっと気になりました。実際は、2015年4月から原則要介護3以上でないと入所できないことになっていますから説明が間違っています。

親が認知症_0003.jpg
 
制度に関することは最低でも5年に一度は見直しすることになっていますから、発行後に変更になった場合は追随していないケースは有り得るのですが、この本の場合は、2015年6月に監修者がはじめにのあいさつ文を書いて6月24日に発売されています。(カバーに印刷されている発行日は今日(7月31日)です。)

親が認知症_0002.jpg

4月からの変更ですからその前から特養の入所基準変更のことはわかっていた(reizanですら昨年末から知っていました)と思います。
さしあたって気付いたところはここだけです。本当に内容が素晴らしいだけにおしいです。
こういうのを画龍点睛を欠くというのでしょうね。


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戦後70年に「昭和史」を読む [推薦図書]

reizanが愛読している「ちきりん」さんのブログで「昭和史 1926‣‣1945」(半藤一利著)が紹介されていました。(ここ

渦中の安保関連法案に関して、『「戦争前の日本と全く同じだ」みたいに言う人がいるけど、「昭和史」を読めば読むほど、そんな感じはしないですね。』という文章にひかれて、この「昭和史」を読んでいます。

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平凡社ライブラリーの1冊で文庫本サイズですが545ページもあって、今、真珠湾攻撃の前あたりまで来たところです。

今まで読んだところでは国政にかかわる人たちの思惑でどんどん悪い方向に進んでいます。しかもご本人たちは正義のため平和のためと信じていますからどうしようもありません。

著者が書くそれぞれの人物像に既視感を覚えたのですが、なぜかと考えたらいまの政治家や企業関係者の中にもそういうタイプの人がいることに思い至りました。

戦争中の悲惨な生活の様子を記録フィルムやドラマで見ることはありましたが、国を動かしていた人たちのことは断片的にしか知りませんでした。それがこの本では講談調も交えながら、誰がどう考え、どうしたからこうなって、さらにことはこう動いていってと、当時の関係者の立ち位置を示しながら歴史の流れを解説してくれています。

今年は戦後70年の節目の年ですから、取りあえず終戦記念日までに今読んでいる本を読み終えて、お盆明けからは「昭和史 戦後編 1945‣‣1989」を読もうと思っています。

昭和という時代をなんとなく生きた人にはぜひお勧めしたい優れ本です。

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太平洋戦争の勉強 [推薦図書]

2015年8月9日に、「なんでもない日おめでとう」と公式Twitterに投稿して物議をかもした例がありましたが、

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reizanブログのタイトルを振り返って見ると、
  • 8月  6日 初の、名古屋グルメ体験
  • 8月  9日 「まかない」検索でトップ10入りしました
  • 8月15日 カラオケの下見
と、日本人の多くが過去に思いをいたす日に能天気なテーマばかりで顰蹙をかいそうすが実は勉強もしていました。

一番良かったのは前にも報告した半藤一利さんの「昭和史 1926-1945」を読んだことです。

binngo_0002.jpg

それ以前にも戦記物や戦争ドラマを見聞きしてきましたが、それぞれに感動を覚えてもしっくりこないところがありました。それは「木を見て森を見ず」というような感覚でした。

歌舞伎で例えれば、「仮名手本忠臣蔵」や「菅原伝授手習鑑」や「義経千本桜」の一幕だけを観た時の感じに似ています。
それはそれで感動できるのですが、全体が見えないもどかしさが残ります。
だから、歌舞伎鑑賞の時には事前に全体のあらすじを読んでおいてから観るようにしています。

ところが、太平洋戦争に関するものは、reizanの若いころからずっと、唐突に特定の部分が飛び込んでくるものですから自分の中で消化不良を起こしていたのです。

でも今回、「昭和史 1926-1945」を読んで全体の流れが良くわかりました。

だから、その後テレビで放送されれた池上彰さんの戦争に関する番組の解説も一つ一つが「昭和史・・・」のあの部分だと関連づけてわかりましたし、戦記物の映画やドラマもどの部分の話かということがわかったうえで観ることができました。

reizanは67歳ですから戦後の生まれですが、実際に戦争を体験された方の中にも自分の身の回りに起こったことは知っていても「昭和史・・・」に書かれていることは知らない方が多いのではないかとも思いました。

今夏の極めつけは、15日にBSプレミアムで放映された旧作の「日本のいちばん長い日」(半藤一利原作、ただし名義上は大宅壮一編となっている。新作は半藤一利原作)です。
新作も評判が良いようなのですが、reizanの住んでいる近くに映画館がありませんので、この旧作で勉強しました。

東宝35周年記念作品ということで、鈴木貫太郎総理大臣役の笠智衆さん以下出演陣が豪華です。

読売新聞朝刊の終戦特集の連載を毎日見ていたら、シリーズ最後の16日の版に元国連事務次長の明石康さんのお話が載っていました。その話の最後の部分がすごく良かったので、ちょっと長いですが引用させていただきます。

『今後の日本については二つのことを言いたい。

まず歴史認識についてです。日本は戦前の拡張政策でアジアの周辺諸国に言葉で表わし得ないような辛苦を与えた。我々は加害者でもあった。そうした不幸な歴史の事実の前では今後も謙虚であるべきです。

また、憲法の精神は大事ですが、9条を守り、平和を祈っていれば平和が保てるわけではありません。日本はそうした「祈るだけの平和」ではなく、「創る平和」を目指すべきです。

「創る」というのは、途上国の開発や人道支援、国連平和維持活動(PKO)への積極的な参加を通じ、世界の安定化のために一汗も二汗もかくことです。

日本はこうした取り組みを通じ、21世紀が共生と共栄、和解と信頼の世紀になるよう努力すべきです。』


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ティモレオン [推薦図書]

「ティモレオン」という本が面白いと古い書評本に書かれていたので読んでみようと思ってAmazonで「ティモレオン」を検索したら英語版しか表示されませんでした。

翻訳版も出ているはずなので地元の図書館のサイトで検索したら、案の定、「見つかりませんでした。」と表示されました。

こういう時頼りになるのは文京区立図書館です。そこのサイト検索したらやっぱり蔵書していました。それも翻訳版です。

ティモレオン.png

この情報によると文庫版もあるようです。そこで、Amazonのサイトで「ティモレオン 中公」で検索しなおしてみたら、「ティモレオン 中公」となって中公は無視されましたが、翻訳版の情報が表示されました。

ティモレオン 中公.png

中古品が1円+送料で買えます。これはありがたいことです。

ティモレオンの本当の名前は、ティモレオン・ヴィエッタといいます。雑種の犬の名前です。
ロンドンで有名だった作曲家の老人がイタリアで隠遁生活をしていて、そこに飼われているのがティモレオンです。
ところがある日、ハンサムな青年が訪ねてきて、ゲイの老人は青年を居候させます。やがて青年は自分を取るのか、犬を取るのかと迫ります。

已む無く老人は犬を遠くに連れて行って捨ててしまいます。そこからティモレオンが我が家を目指す旅が始まります。
旅の途中ですれ違った人々にまつわるエピソードがとにかく素晴らしいのだそうです。

Amazonのカスタマーレビューを見たら評価が高いです。★一つが一人だけいましたが、外国の方が買ってみたら英語で書かれていなかった苦情でしすから本の内容の評価ではありませんでした。

内容はセンチメンタルだけど残酷という感じのようです。著者は読者の甘い期待をことごとく裏切ってくれるそうです。
読んでみようかな。


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reizanは下流老人? [推薦図書]

朝日新聞出版から出ている新書に「下流老人」というタイトルの本があります。なんだか自分のことを言われているみたいで読んでみました。

下流老人.jpg

著者は生活困窮者支援を目的としたNPO法人の代表理事で、大学の客員准教授もされています。

「下流老人」というのは著者の造語で、『生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者』と定義されています。
下流老人の問題は、
  • 収入が著しく少ない
  • 十分な貯蓄がない
  • 頼れる人間がいない
の3つと説明しています。

reizanの場合、交通過疎地に住みながら車を買う余裕もありませんが、なんとか生活保護のお世話にならずに済んでいますので下流老人の定義には当てはまらないようです。

でもこの本の事例を読んでいくと、今が良いからずっと良いとは限らないことを思い知らされます。
自分や家族が認知症や重い病気になったり、事故・災害にあったりすれば、たちどころに生活が立ちゆかない水準まで落ちてしまうかもしれません。

そう考えると生きていくのも大変そうですが、貧乏生活を楽しむというスタンスでいれば案外気楽です。


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皆川博子さんに文化功労章 [推薦図書]

文化の日を目前にして文化勲章・文化功労者の受章者名・顕彰者名が講評されました。
大半は名前も知らない方たちですが、新聞紙上で紹介されている業績と経歴を見るとすごい方たちばかりです。

文化功労者で一番知名度が高いのは黒柳徹子さんだと思います。そこに書かれている年齢とテレビの姿のギャップが大きくて驚きました。あれだけピンとしてシャンとしている方は稀です。

邦楽界では野坂操壽さんが文化功労者として顕彰されます。初代野坂操壽の名を継がれたのですが、若いころは野坂恵子の名前でアバンギャルドな曲も演奏する方として活躍されていました。

reizanにとって一番懐かしかった文化功労者の名前は皆川博子さんです。といっても知り合いではありません。ミステリー作家さんですが著書は1冊しか読んだことがありません。

「倒立する塔の殺人」(2007年)です。皆川さんが77歳ぐらいの時に出版されたのですが、その内容の複雑さに圧倒されました。大変面白かったのですが読んでいるときの浮遊感がちょっと怖くて他の作品には手を出していません。

「倒立する塔の殺人」の図書館での取り扱いは不思議です。
東京のある区の図書館の蔵書検索をすると次のようになっています。

倒立する塔の2.png
文庫本は一般書で、単行本はYA(=ヤング)向けです。

北関東のある市の図書館では文庫本は一般書なのに、単行本は児童書の扱いになっています。

倒立する塔の3.png

瀬戸内のある市の図書館では児童書になっています。これは単行本のみの蔵書の為と思います。

倒立する塔の.png
実はreizanが住んでいる市の図書館でも単行本が児童書の棚に置かれていたのですが、不適当だということを説明してあげて一般書架に移してもらいました。

何が不適当かというと、この本には同性愛とか性倒錯と殺人とか子どもに読ませるにはまだ早すぎる内容が含まれているからです。理論社の「ミステリーYA!」シリーズは若い世代を対象にしたものですが、Jr.を対象としたものではありません。
図書館関係者って本当に本のことを知らない人が多いような気がします。

皆川さんは80歳を過ぎてからも新作ミステリーを出されているということですから感心してしまいます。
世の中には認知症の方が増えていますが、皆川さん(85歳)のように緻密な作家として活躍される高齢者は希望の星です。

文化勲章には金銭の副賞がありませんが、文化功労者には終身年金(現在年額350万円)が支給されます。(文化功労者のほうがいいじゃんと思われるかもしれませんが、現在は原則として文化功労者の中から文化勲章受章者が選ばれますから全員が終身年金受給者です。)

受賞者・顕彰者の皆さんにはこれからも末長く受給していただきたいものだと思います。

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太っているからって、殺してもよいものでしょうか [推薦図書]

食糧問題で太っている人を排除しようということではありません。「太った男を殺しますか?」という本の話です。

トロリー問題.jpg

””殺し””という字が入っていますがミステリーではありません。善悪の判断に関する考え方を紹介している哲学書です。
といってもハードカバーの堅苦しい学術書ではなく、気楽に読めるソフトカバーの入門書です。

フィリッパ・フットという女性が提起した「トロリオロジー」という倫理学の考え方を豊富な例題を挙げて解説しています。
元々はトラム(路面電車、トロッコ)を題材にして説明されていたので、トロリー問題とかトロッコ問題といわれています。

原典に当たっていませんので細かいところが違っているかもしれませんが、一つはこんな話です。

あなたは軌道の分岐器の脇に立っています。そこに、明らかにブレーキが故障していると思われる暴走電車がやって来ました。この先では五人の人が作業をしていますからそのままでは轢かれてしまいます。
分岐器を操作して電車を分岐線に引き込めば五人の人たちは助かります。ところが分岐線には一人の作業者がいますから今度はその人が轢かれてしまいます。
さてあなたはどういう選択をしますか、という問題です。

どちらを選んでも命にかかわる結果がつきまといます。こんなのは絵空事と思われるかもしれませんが、歴史上これに似た判断が求められた例は枚挙にいとまがありません。
誰もが知っている例では広島・長崎の原爆投下があります。多くの非戦闘員が巻き添えをくって命を落とすことがわかっていながら戦争の終結を早めるために必要と判断されました。誰かを助けるために誰かが死ぬのはやむを得ないという考えです。

先の問題では多くの人が分岐線に引き込むことを支持するそうです。五人が死んで一人が助かるよりも、一人が死んで五人が助かった方が良いと考えるようです。
reizanだったら目をつぶってなかったことにしてしまうかもしれません。

それではこういう例はどうでしょうか。
それぞれ違う部位の臓器移植を必要としている五人の人がいます。そのうちの一人は心臓です。移植しなければ命を落とします。そのとき、若者が健康診断を受けに来ました。結果は健康そのもので、さらに五人の移植待ちの人に適合することもわかりました。
移植すれば五人の人の命は助かります。しかしそうすると若者が命を落とします。この場合はどうすれば良いのでしょうか。
人数だけ見れば先のトロリー問題と同じく五人対一人です。でも、後者の場合には、若者を殺してでも五人の命を助けるべきと考える人は少ないでしょう。

これも歴史を見ていくと、特攻だとか人間魚雷がこれに似ています。これをさせた人は五人を助けるために若者に臓器移植をさせるのと同じようなことをしているのです。
例題だけ見るとこんなばかなことをするはずがないと思うようなことを平気でやってしまうので怖いですね。

これからも勉強して何が善で何が悪かをしっかり判断できるようになりたいものです。

ところで、表題の太った男を殺す話はこういうことです。
あなたは跨線橋の上にいます。暴走電車が迫っていてこの先で作業している五人の人が轢かれそうです。
その時ものすごく太った男が跨線橋の上から身を乗り出して電車を見ていました。この男を突き落せば電車はこの男にぶつかって止められるでしょう。あなたはこの太った男を殺しますか?という問題です。
いくらなんでもこれはやっちゃあいけないでしょう。

でも、この話を読んでいて身をもって車輪の下敷きになった長崎バスの鬼塚車掌さんのことを思い出しました。
昭和22年9月、満員のお客を乗せた木炭バスが30メートルぐらいの坂道を登っていましたがあと少しのところでエンストしました。さらに悪いことにブレーキが故障していてバスは後退し始めました。
バスを降りて止めるように指示された鬼塚車掌さんは大きな石を車止めにしようと試みたもののタイヤはそれを乗り越えてしましました。片側は10メートル以上の崖です。転落したら大勢の犠牲者が出ます。
しかし、崖まであと数メートルというところでバスは止まりました。鬼塚車掌さん自らがバスの下にもぐり込み自分の体を輪止めにしたのです。お蔭で乗客・運転士は無事でしたが、鬼塚車掌さんは運ばれた病院で息をひきとりました。享年21歳でした。

善悪の判断を超えたところにある犠牲的精神、立派ですが悲しくなります。

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人間にとって善とは [推薦図書]

トロリー問題の本(「太った男を殺しますか?」)を読んで、フィリッパ・フットという女性がトロリー問題(5人を助けるために1人の人を犠牲にするのは許されるか)という悩ましい課題を提起したことを知りました。

「太った男を殺しますか?」ではフィリッパ・フット以後の学者の説もたくさん紹介されており、さらに著者のアレンジも含まれていることが伺われましたのでフィリッパ・フットの原典をあたってみたいと思いました。

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Amazonで検索したらフィリッパ・フット原作の翻訳本は1冊しかありませんでした。

人間にとって善とはなにか 徳倫理学入門」という気恥ずかしくなるようなすごいタイトルです。県立図書館に蔵書がありましたので借りて読むことにしました。

人間にとって.jpg

ざっと眺めてみましたが「トロリー問題」に触れている箇所は見当たりませんでした。
小旅行をしますのでこれを旅の伴にしてゆっくり勉強しようと思います。

ところで、低俗な興味ですがフィリッパ・フットはとってもお嬢様でした。
家系がすごいです。父親はイギリスの鉄鋼会社の経営者で、父方の祖父はナイトの称号を持つ上級弁護士です。
そして母方の祖父はなんと第22代と第24代(大恐慌の頃)のアメリカ合衆国大統領を務めたクリーブランドというのですから、出自のすごさに驚きます。 

Dlifeを録画した「メンタリスト シーズン1#1」というサスペンスを観ていたら、番組のなかにトロリー問題が出てきました。
脳のコントロールの研究している大学で殺人事件が起き、その研究所の研究風景が描写されたときです。

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手前の人が機器を操作していて、被験者は右奥のサングラスをかけた人です。男性の声で質問があって被験者が答えます。

問.「救命ボートに乗っています。60歳の男をボートから落とせば10人の子供を救えます。男を落としますか?」
被験者.「いいえ」

問.「救命ボートに乗っています。60歳の男をボートに乗せなければ10人の子供を救えます。男を乗せませんか?」
被験者.「はい」

どちらの問いも「YES」であれば60歳の男が命を失いますが、この問いに対する回答は一般的に番組の中の被験者と同じになる傾向があるそうです。

問題の本質は60歳の男と10人の子供のどちらを助けますかということです。なのになぜ被験者は二つの問に違う回答をするのでしょうか。
それは前者の落とす「という行動が積極的なのに対して、後者は消極的です。誰でも責任逃れをしたいものだと思えば当たり前の結果といえるかもしれません。


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屠場の仕事 [推薦図書]

本稿のタイトルの「屠」(と)の字は、正月に飲むお屠蘇の屠と同じ字ですが、それでは意味がよくわからないと思いますのでわかりやすく言い換えると屠殺の屠です。

つまり、牛、豚、馬などの家畜を屠殺して解体し、食肉に加工する施設を屠畜場と言いますが、屠場はその旧称です。

日頃、食肉には大変お世話になっていますが、誰がどのように作っているかということに関しては知りませんし、特に関心があるわけでもありませんでした。

たまたま図書館で新刊書のコーナーを眺めていたらこの本があったので借りてみたというのが正直なところです。

屠場の仕事.jpg

「誰も知らない屠場の仕事 牛が食卓にのぼるまで・・・」(創土社刊)です。新装版あとがきによると、本書は14年前に出版されたものの新装版として出版されたものだそうです。

本書の舞台になった「近江八幡市食肉センター」はすでに解体され、別の場所に「滋賀食肉センター」が作られたことが報告されています。

reizanが滋賀の事業所で働いていたとき、知り合った方から近江牛の刺身を分けていただいたことがありまして、その美味しさに感動したことがありました。

単純にそういう感想しかもっていなかったのですが、本書を読んでいくと動物を殺す思いや差別のことなどにも触れられていて大変勉強になりました。

一般の書店で目にとめて買うような本ではありませんので図書館のお世話になるしかないのですが、調べてみたら滋賀県内の図書館には大抵置かれていました。

東京では、文京区の図書館に蔵書されていますが他はほとんど置かれていないようです。さすが文京区です。本当に蔵書が充実しています。

東京の図書館に比べたら象と蟻ぐらいの差があるreizanが住む市の図書館ですが、本書があったことで見直しました。
こういう本に出会うと図書館は無料貸本屋ではないことに気づかされます。


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おふくろの味100 [推薦図書]

図書館にこんな料理本がありました。

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「別冊NHKきょうの料理 おふくろの味定番100」というタイトルです。

取り上げられている料理はreizanでも名前を知っているものばかりです。取りあえずここに載っている100の料理ができれば上等だと思います。レシピは基本2人分で書かれています。

どんな料理があるかというと、次の100の料理です。(reizanが五十音順に並べました。)

青菜の煮浸し
揚げ出し豆腐
あさりのスパゲッティ
あじの南蛮漬け
餡かけ焼きそば
いなりずし
いわしの梅煮
いんげんの胡麻和え
うどん用だし
うの花
えびフライ
お好み焼き
おにぎり
オムライス
親子丼
かきフライ
かき揚げ
かつおのたたき
かにクリームコロッケ
かに玉
かぼちゃの煮物
かれいの煮付
カレーライス
基本のだし
きゅうりの酢の物
餃子
切干だいこんの煮物
きんぴらごぼう
クリームシチュー
グリーンサラダ
高野豆腐の含め煮
五目豆
五目炊き込みご飯
五目焼きそば
さけのムニエル
さといもの煮っ転がし
さばの味噌煮
さんまの塩焼き
サンドイッチ
シュウマイ(焼売)
白和え
すき焼き
スパゲッティナポリタン
酢豚
赤飯
そうめん
ソース焼きそば
たこ焼き
玉子焼き
チキンピラフ
筑前煮(ガメ煮)
チャーシュー(叉焼)
茶碗蒸し
チャーハン(炒飯)
ちらしずし
手巻きずし
天ぷら
ドーナツ
鶏の照り焼き
鶏のから揚げ
豚カツ
豚汁
鍋焼きうどん
肉じゃが
肉豆腐
肉野菜炒め
肉だんごの甘酢餡
煮干しだし
八宝菜
ババロア
ハムエッグ
ハヤシライス
春巻き
ハンバーグ
バンバンジー(棒棒鶏)
パンのみみのかりんとう
ピーマンの肉詰め
ひじきの煮物
冷やし中華
豚の生姜焼き
豚の角煮
太巻きずし
ぶりの照り焼き
ぶり大根
プリン
ふろふき大根
ほうれんそうのお浸し
ポーチドエッグ
ホットケーキ
ポテトコロッケ
ポテトサラダ
マーボー豆腐(麻婆豆腐)
マカロニサラダ
マカロニグラタン
ミートボール
ミートソーススパゲッティ
味噌汁
ミルクセーキ
焼きなす
ロールキャベツ

「かぼちゃの煮物」とか「きんぴらごぼう」はCOOKPADに投稿したreizanレシピの方が美味しいと思いますし、他の料理もCOOKPADにもっと美味しいレシピがあるかもしれませんが、取りあえず家庭料理の基本を押さえておくうえで有効な図書だと思います。



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「ミレニアム 4」が出版されていました [推薦図書]

「ミレニアム」は、スティーグ・ラーソンというスウェーデンの小説家が書いて大ヒットした小説のタイトルです。

  • ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
  • ミレニアム2 火と戯れる女
  • ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
それぞれが上下巻に分かれていてかなり長いのですが、ミレニアム3の場合はもう途中でやめられなくなって夜中までかかって読み終えたような記憶があります。

ただ、3が出版された時点で著者が亡くなっていたため続編はないという報に接していましたから、それっきり忘れていたのですが、なんと、「ミレニアム 4」(上下巻)が昨年(2015年)のクリスマスに出版されていました。(この情報で喜ぶ人がひとりいるはずです。)

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「ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 上・下」というタイトルです。

著者が亡くなっていますので本来出版されるはずのないものです。そんな疑問に答えるため上巻の訳者あとがきに出版に至った経緯が記載されていました。

種明かしで紹介されたのは、まったく他人のダヴィッド・ラーゲルクランツという著者によるものだということです。
ジャーナルストから作家に転向した人で、自身の作品も世界中で翻訳されたりしている人気作家だそうです。

著者が亡くなったあと、他の作家が続編を書いた例で有名なのは「風と共に去りぬ」の続編でしょう。「スカーレット」と「レット・バトラー」の2冊が出ているようですが、必ずしも成功しているとは言い難いようです。

ミレニアムの続編を出すことが発表されたときに、ダヴィッド・ラーゲルクランツは歓迎の声だけでなく反発の声も有ることを聞き自信を無くしかけたものの、何度も既作品を読み返し、並行してオリジナルのストーリーを練っていったそうです。

そして出版されると本国は勿論、各国でベストセラー・リストのトップに輝いたといいます。
読む前から期待が高まりますがもう徹夜はきついので、集中しすぎないようにほどほどにして読みます。

(続報)
上巻を読み終えました。まったく違和感がありません。
人物の印象が前のままだし、ストーリー展開もハラハラドキドキさせてくれて前の3作と同じ作家と言われても分からないぐらいです。下巻を読むのが楽しみです。


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「ミレニアム 4(下)」を読み終えました [推薦図書]

スティーグ・ラーソン作のミステリー「ミレニアム」シリーズ全3巻(各上下)は、本国のスウェーデンだけでなく多くの国の言葉に翻訳されて全世界で8千万部以上も売れているヒット作ですが、著者は「ミレニアム」が刊行される前に50歳の若さで病没されています。

だから、「ミレニアム3 眠れる狂卓の騎士」を読み終えるときは、この先はないのだと寂しい思いをしました。
それが、別の作者による「ミレニアム4」が出てきたものだからビックリです。

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小説は文字で書かれているものですから画がありません。それ故に読者の想像力を駆り立てて百者百様のイメージを抱かせます。それが読書の醍醐味であるわけですが、違う人が書いたもので満足できるだろうかというのが読む前の正直な気持ちでした。

でも、「ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女」を読み終えた感想は、「やられた。」という思いでいっぱいです。
同じ作者が書いたと言われても良いぐらいまったく違和感がありません。1、2、3を読んだときのことを思い出させるようなエピソードが随所にちりばめられていて思わず笑みがこぼれてしまうほど懐かしい感じがします。
私見ですが、蜘蛛の巣というのは、物語るの中に出てくるインターネットのネットワークの比喩ではないかと思います。

「ミレニアム1、2、3」を超えるはずがないと思っている方、先ずは読んでみてください。前3作に勝るとも劣らない傑作です。

まだ「ミレニアム」を読んだことがない方はどうぞ1巻から順番に読んでください。逆順で読むと何気ない文章に見えて分からずに読み飛ばしてしまうところが出てきそうですから勿体ないです。Amazonで中古本が1円+送料で売られているようですから図書館に行く交通費より安くつくかもしれません。

新しい作者によってこれからも「ミレニアム」の続きが書かれる予定だそうです。ちょっとパンクっぽいリスベット・サランデルという女性にまた会えると思うと楽しみです。



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歴史はお金で動く [推薦図書]

学校で歴史を習ったときのことを思い起こすと、何年にこういうことがあったという事実ばかりを覚えさせられたような気がします。暗記物の苦手なreizanは、その背景(なぜそれが起こったのか)と関連付けると覚えられるのですが、そういう教え方はしてもらえませんでした。

だから歴史の教科は苦手でした。(て言うか、英単語を覚えるのも、数学の公式を覚えるのも、化学の元素記号を覚えるのも、とにかく覚えるのが苦手でしたから、そもそも国の定めた学校教育を受けるのに向いていなかったみたいです。)

そんなreizanですが、2016年3月12日に出版された「お金の流れで読む日本の歴史」(元国税調査官 大村大次郎著)を読んで日本史が面白いと思いました。

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過去に幾多の戦がありましたがお互いの意地の張り合いというよりも、経済的な価値を確保するために戦ったというケースが圧倒的なようです。
そこのところを知らなかったものですから、何故、国同士が仲良くできなかったのだろうと疑問に思っていましたが、お金が絡んでいるとわかればなるほどと思えました。

源平合戦も、先の大戦も突き詰めればお金のためだったようです。太平洋戦争の結果を知っているからアメリカと喧嘩するなんて無謀だと思いますが、当時の経済的に追い詰められた状況では、これが突破口になるかもと思った人が大半で、皆がやっちゃえと思ったようです。

当時の国際貿易はアメリカのドル建てがメインで輸入の決済に円を使うことは叶いませんでした。そういう状況の中で満州に関心を持っていたアメリカは日本が満州国を作ったことに対抗して、アメリカにある日本の資産を凍結してしまいました。

そうなるとアメリカの口座を使って支払うことができません(当時の円は弱くて決済できません)から輸入もストップしてしまいます。日本国民にとっては生きるか死ぬかの大問題です。
だから国民の大半が経済封鎖をしたアメリカをやっつけてしまわないと生きる道がないと考え、戦争に突き進んでいったのです。

最近、近所の国が経済制裁を受けていますが、制裁を加える側が徹底的に打ちのめすほどやりすぎるとかつての日本みたいな動きに出られる可能性がありますから怖いですね。

円滑な関係を維持するためには、”相手を打ちのめしてはいけません”。逃げ道を作っておいてあげるのが大人対応です。それに気づかない人がモンスターペアレントとかクレーマーをやっているようです。
この本を読んで、昔、自分にそんな気づきがあったことを思い出しました。



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障害者福祉の世界 [推薦図書]

若いころレクリエーション運動に関わり、勤務時代は人事・総務の一員として同和問題に関わり、そして今は生涯大学校に通いながら社旗福祉について学んでいます。

そういうことから人文的なことに興味があり勉強のために読んだのが、「障害者福祉の世界」(有斐閣アルマ 佐藤久夫・小澤温共著)です。

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有斐閣と言えば法令関連図書の出版社として有名ですが、法令以外の人文系の図書も出版されているそうです。

本書では、”障害とはなにか”から始まって、”障害者福祉に影響を与えた思想”、”歴史的展開”、”障害者を援助する方法”、”各種の障害者福祉サービス”、”生涯大学校者に対する社会の見方”、”障害者福祉の国際的動向”が網羅されていて素人が読むには十分すぎる(専門大学のテキストになりそうな)ぐらい幅広く深い内容だと思いました。

障害者に限らず福祉の分野に関心のある人はぜひとも読んでおかれると良いと思います。

ページ数の割には中身の濃い本ですから全体に無駄な記述がなく、学ぶべきことがびっしり詰まっている感じです。

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ローカル仕事図鑑 [推薦図書]

reizanは田舎に住むようになってから尺八教授と包丁砥ぎ屋を仕事にしています(お客さんはほぼゼロに近いです)が、ほかの人はどんな風にしているのか興味があって「ローカル仕事図鑑」という本を読みました。

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30の仕事と人が紹介されていて、仕事の内容やお金のこと(初期費用や収入など)、必要な資格、大変なところ、やりがい等、読者が関心を持ちそうなことについてコンパクトにまとめられています。

すべての仕事が興味深いのですがreizanが始めるには歳を取りすぎています。残念ながら諦めざるを得ません。

そんなことで直接役立つことはなかったのですが、共感を覚える部分があったので読後の満足感は高いです。

共感を覚えたのはある木工家具職人さんの行動です。
家具職人を始める前に大学の部活OB会で「高山で木工はじめます!」と宣言したところ、先輩の実家が高山で旅館をやっていて、先輩親子に話を聞いてもらったり、地域の活動に誘ってもらったりしているそうです。
アピールすることで偶然のつながりが生まれるかも、と語っておられます。

reizanの場合は、機会があるごとに「趣味は尺八演奏です。」とPRしています。
自己紹介の場面で「趣味はとくにありません。」と言う方がおられますが、勿体ないなと思います。話はここで終わってしまいます。

本当に趣味がないのだったら仕方ありません(それも寂しいです)が、趣味を持って、そのことを公表するとあらたな人間関係の広がりが生まれることがあります。聴いてくれているが同じ趣味でなくても、同じ趣味の人を知っていると教えてくれることもあります。

そのために大した手間はかかりません。「私の趣味は〇〇です。」と言うだけでいいのです。


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目的と手段 [推薦図書]

勤務時代に教えられたことで今も肝に銘じていることがあります。それは、「目的と手段を取り違えてはいけない」ということです。

手段が目的になっている間違いは世の中にあふれていますから、真の目的はなにかを見抜く目と感性が身についていれば半ば人生の成功者と言えるでしょう。あとは運と努力で残りの半分を埋めてやれば完璧です。

目的・手段に欠かせない「目標」も加えて、ここで言葉の定義を確認しておきましょう。

目的手段目標.png

例えば、震災ボランティアについて考えてみましょう。
コーディネーターから「あなたは瓦礫の片づけを手伝ってください。」と言われたとき、「瓦礫を片付ける」というのは真の目的ではありません。これはあくまでも手段です。

真の目的は、被災された方の生活復旧です。そのためにやらないといけないことはたくさんありますが、自分はその中の片づけを担っているのだという自覚を持てば、目的と手段を取り違えることはありません。

そして、目標は目的を達成したかどうかを測る指標です。例えば「敷地内の瓦礫をゼロにする」というようなのが目標です。
ボランティアの人はこの目標の達成を目指して働きます。
しかし、敷地内の瓦礫がゼロになっただけで生活復旧ができたとは言えません。

だから、一つの目的に対していくつかの目標が立てられ、その目標に向かって手段が講じられるという流れになります。

では、目的・目標・手段のなかでなにが一番大事かといえば、それは目的以外にありえません。

でも世の中には、この目的があいまいなまま進められていることが結構あります。そうすると一人ひとりが違った目的をイメージしながら取り組むため、何かを始めても先でぎくしゃくして上手くいかなくなってしまいます。本当にこういう例は世の中に多いです。

最近、「花も嵐も」という本を読んでとくにそう思うようになりました。
池田隼人という昔の首相の伝記です。

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1960年に首相に就任されていますから、reizanが小学6年生の時です。

就任の時に小学生でもわかる言葉で目標を示されました。それが「所得倍増」です。経済成長(手段)によって10年後に給料を今の倍にする、というものです。

日本は戦争に負けて日々の食糧にも事欠く状態から徐々に回復してはいましたが、給料が倍になるなど庶民には夢物語のようなことでした。
でもこの首相はその目標を約7年で達成させてしまいました。今の経済大国日本はこの人が作ったといっても過言でないくらいの政治家です。

あらためて考えてみますと
  • 「所得倍増」
  • 「アベノミクス」
前者は小学生でもやりたいことわかりますが、後者は大人にもよくわかりません。
安倍首相のやっていることの良し悪しではなく、キャッチフレーズの分かりやすさについての評価です。

「所得倍増」は目標と申しましたが、では目的はなんだったかのかというと、それは1963年の1月の通常国会の施政方針演説で示された「人つくり国つくり」だったようです。

「アベノミクス」は目的・目標・手段のうちの何かというと、これは手段の総称です。その手段で達成すべき目的は何かというと、それは首相官邸公式サイトによると「デフレ不況からの脱却」と「富の拡大」であり、「持続的な経済成長(経済の好循環)」を目指しているようです。

「所得倍増」のような分かりやすい最終到達目標が示されてなくて、「より良く」というような文脈になっているためわかりにくいのかもしれません。

「花も嵐も」のなかには吉田茂以降の政党のことも書かれています。鳩山一郎氏首相の誕生経緯や言動を読むと孫の首相と似ている点があって、そういう家系なのだと妙に納得してしまいました。
本書は池田隼人という人を知るだけでなく、戦後の政界の流れを知るうえで貴重な一冊だと思いました。

Amazonの中古本で、200円前後+送料で購入できます。団塊の世代にお薦めしたい人物伝です。

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敏感気質 [推薦図書]

HSPの事について書かれた本を読んでいたら自分もHSPかもしれないと思ってしまいました。本の影響を受けやすいタイプなので、ただそんな気がしているだけかもしれません。

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HSPとは、Highly Sensitive Person (ハイリー・センシティブ・パーソン)の略です。Sensitiveが「敏感な」という意味の形容詞として使われていますから、全体では「すごく敏感な人」ということになります。

本書によると、HSPの人は、神経質で、細かくて、いつもオドオドしていて、小心者の自分が嫌なのに変えられないというジレンマに陥っていることが多いそうです。

reizanもそんな感じです。
テーブルの上に置いた新聞が斜めになっていたりするとすごく居心地が悪い気分になります。

HSPは性格の問題かというと、そうではなくて、その人が生まれつき持っている気質だそうです。だから病気ではありません。気質と性格は次のように定義できます。

  • 気質:生まれつきの生物学的個人差
  • 性格:成長していく過程で形成される個人差
その概念を図示すると次のようになります。中央が生まれつきのものです。
気質と性格の関係.png

性格は変えられますが気質は変えられません。ただ、人に合わせるために気質に基づく行動を抑えることは本人の努力次第で可能です。肥満体質でも管理すれば体重をコントロールできるのと同じです。


ではHSPの人はどのくらいの比率でいるかというと、統計的には2割ぐらいだそうです。少数派ですが5人の人が集まったらその中の一人はHSPということですからどこにでもいます。
そしてあとの4人が「普通の人」と「無頓着な人」ということになります。

本題から逸れますが、さらに細かく見ていくと性格は次のように分類されます。

性格は変わる.png
  • 気性:養育者や養育環境によって形成された性格
  • 社会的性格:社会生活によってつくられた性格
  • 役割的性格:現在の役割に応じた性格

閑話休題

旅行に行くのに目的地を決めずに無計画で出発できる人や、居酒屋のカウンターで隣に座った見ず知らずの人とすぐに会話を始めて昔からの知り合いのようにしている人はHSPとは対極の人だと思いますが、reizanにとっては異星人のような感じがします。

HSPというのは絶対音感に似ています。本人がその能力や気質を持っていることで辛い思いするかもしれないという点で似ているのです。

絶対音感を持っている人は聞こえている音の高さを音名で言うことができます。
踏切の警報音がどの高さの音だとか、お寺の鐘の音がどの高さだということをチューナーを使わずに指摘できるのです。
普通の人からみると凄い能力です。

でも、絶対音感の人もいいことばかりではありません。聞きたくなくてもいろんな音が耳に入ってきて、それが必ずしも平均律と合っているわけではないので、平均律から外れた音を聞かされると結構苦痛らしいです。

HSPの場合は根が真面目で完璧主義ですから言ってることは大抵が正論です。でも、8割の人(なかでも無頓着な人)から「正論だけではやっていけない。」とか「そんなのはどうでも良いこと。」と否定されると心が傷つきます。

だから絶対音感とHSPは似ていると思うのですが、前者は他人から羨ましがられるのに、後者は疎まれる点がちょっと違います。

でも上手く世渡りをしていくためにはHSPの人も折れることが必要です。

たまに、HSPと思われる老人の問題行動がテレビのワイドショーで面白おかしく取り上げられたりすることがありますが、そういう老人もいい加減人生経験を積んでいるのだから学習すればいいのにと思ってしまいます。

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「頭がいい人、悪い人の老後習慣」(保坂隆著)のなかでも、何事も完璧主義でやってしまうのは×だと教えてくれています。
reizanもそう思う年頃になりました。

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おふくろの味 [推薦図書]

「おふくろの味」というと男の憧れみたいな存在で、テレビドラマでは絶対おいしいことに決まっています。

reizanの作るのは、なんちゃって料理が多くて自慢できませんから本格的な「おふくろの味」を勉強したいと思っていたら良い本がありました。

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「おふくろの味 定番100」というタイトルどおり100のレシピが紹介されています。

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図書館で借りたときに良い内容だと思いました。それから冷却期間をを置いて再び借りたらやっぱり良かったので、ネットオークションで購入しました。借りた本は期限までに10日以上残っていましたがすぐに返却しました。

この100種類の料理ができれば一人暮らしになっても楽しい食生活が送れそうです。

ただ、「かぼちゃの煮物」はまだ作っていませんから本当のところはわかりませんが、レシピを見る限りではreizanレシピの方が美味しそうです。
今度かぼちゃを買ったらこの本のレシピで作ってみようと思います。


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高校生のための「批評入門」 [推薦図書]

批評というと、対象をこき下ろすイメージが強いのですが、ある本をに推薦図書として載っていた「高校生のための 批評入門」を読んだら全然違っていました。

reizan流の解釈だと、自分の立ち位置を明確にするための確認作業、ということかと思います。

本の対象が高校生ということですから半世紀も前に卒業した者が読むに値するかどうか心配でした。だから取りあえず図書館で借りてみることにしました。

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まえがきに当たる「この本を使うみなさんへ」という文章がすばらしかったので全文を引用させていただきます。

『この本を使うみなさんへ
 批評とはなんでしょうか。評論を読んだり、論説文を書いたりすることではありません。もちろん他人の欠点をあげつらうことでもありません。みなさんは、世界にひとりしかいない「私」という人間として、考えています。
「私」を、世界の中に考える主体として置くこと―――これが批評の始まりです。
 批評とは、世界と自分をより正確に認識しようとする心のはたらきであり、皆さんの内部で日々<生き方をみちびく力>としてはたらいているものです。
この本は、そのような力として批評が生まれる現場へみなさんを案内することを意図して編集されました。
 だからこの本は、論文の読み方や書き方などの当面の技術を教えるものではありません。<批評が生まれる現場>に即して、皆さん自身のものの見方や考え方を訓練する、いわば<生き方のワークブック>なのです。』

最後の、この本は、(中略)皆さん自身のものの見方や考え方を訓練する、いわば<生き方のワークブック>なのです。
という部分がこの本の性格をよく表していると思います。

其の世界ではかなり有名な本らしいのですがreizanは知りませんでした。その理由がわかりました。
初版の発行が1987年でした。その年には39歳になっていましたから高校生向けの本には関心が向いていなかったのだと思います。(reizanが高校生のころというと、1年生の秋に東京オリンピックがありましたから大昔の話です。)

本文中に出てくる「違和感からの出発」というのも批評の本質をよく表していると思います。
reizanはHighly Sensitive Person気味ですから違和感には敏感です。この本がreizan生き方の練習帳になってくれそうです。と思ったのですがもしかしたら遅きに失したかもしれません。

素晴らしい内容なので自分で買って持っていたいなと思ったのですが、Amazonで検索したら文庫版は中古でも千円以上します。
今回reizanが借りたのと同じ単行本(中古)は28円から出ています。内容が読めればいいのでreizanには単行本で十分です。  


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年収150万円一家 [推薦図書]

家人が図書館から面白いタイトルの本を借りていたので見せてもらいました。森川弘子著「年収150万円一家」というタイトルです。文脈から想像できるとおり渡世人の物語ではありません。reizanの年収に近いので興味を持って読みました。

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SF作家の夫と4歳の娘と弱小イラストレーターの著者という三人家族がおりなす節約生活を漫画にしています。

表紙をめくると、目次よりも先にのっけから「我が家のランチはパン耳です」という見出しが飛び込んできます。
reizanもパンの耳は大好きです。食パンのなかで一番おいしいのはパンの耳だと思います。(千鳥饅頭が餡よりも皮が美味しいのに似ています。)

マンガを見て羨ましかったのは、森川さんが買っているパン耳はサンドイッチを作ったときのおこぼれではなくて、3斤型で焼いたときの長手方向の両端の部分だということです。だから細長いやつじゃなくて四角い形です。

これって食パンのなかで一番おいしいところです。それが40cm積み重なって一袋なんと30円(2009年当時)。これだったらたとえヤマザキのだったとしても買います。

reizanの住んでいる近くではパンの耳にほとんど行き当たらないし、あってもサンドイッチの残りばかりです。これって、時々サンドイッチの具材がくっ付いていてパンの耳だけを味わえないことがあります。本当に著者の住んでいるところが羨ましいです。

本の内容を見ていくとreizanも結構同じことをやっているような気がしました。貧乏生活を笑い飛ばして楽しむのって素敵ですよ。

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この本は変ってる [推薦図書]

図書館で借りた本ですが、これほど変な本に出会ったことがありません。嬉しい驚きです。

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外見はソフトカバーの普通の本です。ただしページ数は524ページもありますから見た目は辞書のようです。

ところが中を見たらビックリです。章立てを追ってみますと、
  1. 古代の文体
  2. 漢詩と漢文
  3. 仏教の文体
  4. キリスト教の文体
  5. 琉球語
  6. アイヌ語
  7. 音韻と表記
  8. 現代語の語彙と文体
  9. 政治の言葉
  10. 日本語の性格
となっています。

「はじめに」によりますと、この本は「日本文学全集」(河出書房新社刊)全30巻の中の一冊でした。

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読者が見て変わった本ですが、著者も他とは趣の異なる一冊になるだろうと書かれています。

特定の文学作品でなく、さまざまな文体のサンプルと日本語に関する考察を集めています。日本語とはどいうものかということをざっと見渡す役割を負っているようです。

日本語というタイトルですが、琉球語とアイヌ語も取り上げられています。それは理解できたのですが、もう一つケセン語というのが取り上げられていました。
今まで日本の国からほとんど出たことがなくて、日本の文化にどっぷりつかってきたつもりでしたが、ケセン語というのは聞いたことがありません。

なにかと思ったら気仙地方(大船渡市、陸前高田市、住田町)のことばでした。
本書の中では、「マタイによる福音書」のケセン語版が紹介されています。ユダの裏切りとか最後の晩餐の場面が出てくるのですが、「最後の晩餐」の一部を引用(フォントの関係で原文通りにできないところがありますが、できるだけイメージは近づけるようにしました。)させていただきます。興味をお持ちになったらぜひ本書をお読みください。

最後のお膳
 みんなァお膳かごんでだどきに、ヤソァ パン取って、神様ァどご ただえる祈りィ捧げ、せァで、ですィァど(弟子等)さ分げでけ(呉)ながら かだ(語)りやった。
「取って食いなれ。これァ、俺ァかばね(体)だ。」
それがら、さかずき(杯)ィ取って、(中略)
「みんなァ、この さかずきィ飲みなれ。これァ、とんが(科)ァ許されるようにって、みんなのために流す俺ァ固めの血だ。」

これを翻訳した人は、信仰の言葉は信徒の耳に直に届かなければならないと考え、そこに住む人々にとって唯一無二の日々の言葉であるケセン語に翻訳したそうです。

変ってるけど面白い本です。

全集の他の本も、「源氏物語」(角田光代訳)、「たけくらべ」(川上未映子訳)など異色の組合せで意外性十分です。
角田さんは、「対岸の彼女」で直木賞を受けたほか「八日目の蝉」や「紙の月」が有名ですし、川上さんは「乳と卵」で芥川賞を受けた作家で詩人で歌手で俳優というマルチタレントです。こういう人がどんな訳をしているのか、興味が湧きます。

ただ、死んだ後のことを考えたら物を残さないようにしないといけないので、昔、世界文学全集や日本文学全集を買ったのと同じ行動をしてはダメだと思っています。


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音楽図鑑 [推薦図書]

図書館で重い本を借りました。839gもありました。タイトルは「親子で学ぶ音楽図鑑(HELP YOUR KIDS WITH MUSIC)」です。

 

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タイトルの「親子で」というのを見ると子供向けの軽い内容を想像しましたが、内容をパラパラっと見たら「ぎょっ!」 としました。

子供向けではないと思いました。どちらかというと、親も子も使える音楽図鑑という感じです。

例えば、音階のページを見たら、長音階、短音階だけでなく、「クロマティック・スケール」、「ホール・トーン・スケール」、「ペンタトニック・スケール」、「ブルース・スケール」、「ディミニッシュ・スケール」、「エニグマティック・スケール」、「モード」、「調性音楽」、「無調音楽」まで図解入りで説明されています。

 

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これは小学生の親子が音楽の授業の復習で使うレベルをはるかに超えています。専門書には敵わないかもしれませんが情報の幅広さは半端ありません。reizanも知らないことが満載ですから個人的に蔵書したいぐらいです。
難点は重いことと税別2,800円もすることです。


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船飯 [推薦図書]

タニタのレシピ本が出て以降、従来の料理家がつくるレシピ本以外に、社員食堂のレシピ集や学校給食のレシピ集が書店の店頭に並ぶブームがありました。そして、いよいよこんな本まで出てきました。

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「海上保安庁のおいしい船飯(ふなめし)」(扶桑社、税別1,400円)です。

世の中には海上保安庁と海上自衛隊の区別がつかない人もいるようですが、海上保安庁は国土交通省の外局で、海の警察・消防の役割りを担ってくれています。漫画や映画で有名な「海猿」は海上保安庁の職員の活躍を描いたものです。

「船飯」は、その海上保安庁の船艇で提供される食事のレシピを紹介しています。
普通、目にすることはないので興味深かったのですが、表示はないものの見ただけで年寄りにはカロリー高めで真似するのは諦めました。

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《船飯の一例》

料理写真を見ているるだけでお腹いっぱいになってしまって軟弱なreizanには向いていませんでした。でも、体育会系の青少年を持つお母さんには参考になりそうです。


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「琴と尺八」の原本を読みました [推薦図書]

以前、ネットサーフィンをしていて偶然見つけた「琴と尺八」の記事を読んで原本を読みたいと思っていました。

ネットで、オークションや中古本を探してもありませんでした。
法律で、すべての出版物は(有償・無償を問わず)必ず国会図書館に提出するよう義務付けられていますのでそこに期待したのですが国会図書館にもありませんでした。

唯一、都立中央図書館(広尾)だけに収蔵されていることを知りましたので、今年の7月7日(「和の音、和の声、和の心」の演奏会の日)に、ついでに立ち寄ったのですが休館日でした。

それで、11月11日(今回も「和の音、和の声、和の心」の演奏会の日)の開休を調べたら開いていることが分かりましたので、7月のときと同じスケジュールで都立中央図書館に行きました。

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《11月11日の和の音、和の声、和の心の会場(開演前)》

前回の時は気づかなかったのですが、図書館の建物の前の芝生広場に縦笛を吹く人の像がありました。

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遠目に見ても管が細いので尺八ではないと思ったのですが、やっぱり、歌口の構造からみてリコーダーのようなものでした。
でも、管の太さと長さの関係を見ると別物のような気がします。

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彫刻の鑑賞は早々に切り上げて図書館の中に入りました。初めての訪問です。

奥に進むと左側に受付があって首かけ式の入館証を渡されました。それを首にかけ、番号ロック式の傘たてに傘を入れ、奥のロッカー室で返却式のコインロッカーに荷物を預けてから図書室に進みました。

入ってすぐのところにはパソコンが何十台も並んでいます。
蔵書検索用のパソコンです。今まで見てきた図書館では多くても10台はなかったと思いますが、ここは規模が違います。閲覧席も1000席あるそうです。
試しに「まちづくり」のキーワードで検索してみたら蔵書は1000件以上あり、1000件までが新しい順に表示されました。

地元の県立図書館のサイトで同じ検索をしたら、たったの60件でした。東京に行けば地元よりもたくさんの知識情報を得られるわけですから、こういうところも改善しないと東京一極集中は避けられないような気がしました。

さて、本題の「琴と尺八」ですが、蔵書情報を印刷していたので、総合案内のカウンターでそれを提出して閉架図書閲覧の手配をしてもらいました。
番号札を受取って待っていると総合病院の会計のように壁のパネルに番号が表示されるので、今度はお渡しコーナーに行って、番号札と入館証のタグを渡して、かわりに本を受取ります。(タグは本を返したときに戻してもらえます。)

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あとは閲覧席に座って自由に閲覧できます。今回は館内に1時間半ほど居れる予定を組んでいましたので、1時間ほど読んで、残り30分をコピーの時間に当てることにしました。

新書を横に少し大きくしたぐらいのほぼB6版サイズの200ページ弱の本で、読みだしたら面白くて全部読んでしまいました。
そして、尺八や三曲の演奏の参考になりそうな部分をピックアップしてコピーしてもらいました。

コピー依頼用紙もパソコンからプリントアウトします。入館証のケースに刷り込まれているバーコードと本に貼られているバーコードをスキャンして印刷を指示するとプリンターから用紙が出てきます。
それにコピーして欲しいページを列記し、該当ページにしおりを挟んだら、今度は複写受付のカウンターに持っていって依頼します。「琴と尺八」は職員の人がコピーしないといけない本でしたからコピー代が25円×11枚で275円になりました。

「琴と尺八」の内容の大半は、宮城道雄と吉田晴風の対談です。宮城道雄の名前は知っている人が多いと思いますが、吉田晴風は宮城作曲の「春の海」の最初のレコードに参加した琴古流の尺八演奏家です。

エピソードとして面白かったのは二人の出会いです。吉田が夕涼みに出た時、素晴らしい箏の音が聞こえたので辿っていくと開けっ放しになった部屋の奥で盲青年が「みだれ」を弾いていました。(「みだれ」は八橋検校作曲です。)

吉田は「長谷(ながたに)検校に教えを受けたものです。合奏させてください。」と申し出ます。長谷検校に教えを受けたというのは、尺八でいうと山本邦山に教えを受けたとか、ピアノでいうと内田光子に教えを受けたというぐらいの意味で、要は自分は単なる下手の横好きではないですよと言っているわけです。
(reizanも有名な先生に習っていますが、それに相応しいレベルに達していないので、reizanの場合は、〇〇先生の教えを受けているものです、とは口が裂けても言えません。)

当時、宮城20歳、吉田23歳。合奏した曲は峰崎勾当作曲の「残月」です。この曲は峰崎の弟子の娘さんが幼くして亡くなったのを悼んで作られたと伝えられています。だからどちらかというと悲しい曲です。
吉田は宮城の演奏にうたれ途中で感極まったことを吐露しています。

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宮城も吉田のことを心底褒めています。

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吉田は尺八を止めようと思ったことがあったそうです。フルートのレコードを聴いたときのことです。
とてもかなわない。尺八が負けるならフルート吹きになってやろうと考えました。
そして人を通じてロサンゼルス在住のフルートの大家を訪ねました。

先生は吉田の尺八のレコードを全部持っていて、「尺八にはフルートもかなわぬよいところがある」と言います。
吉田が尺八はフルートにかなわぬもの思っていた旨を伝えると、先生は「尺八のいいところは、音色の良さは勿論、音から音へ移るのに非常に滑らかで情味がある(尺八は原則タンギングを使わないことと、次の音に移るときに単純にその音の運指をするのではなく、音移りと言って他の指孔のわずかな開閉を伴うあしらいが、そういう情味を作るのではないかとreizanは思います。)、そんなところがフルートにはできないのだと、吉田の卑下しているところ大いに褒め称えました。
これを聞いて、もう尺八は止めまい、と決心したそうです。

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楽器改良の話題では、オークラウロ(原本ではウが欠落している。)のことが出ています。
ホテルオークラの創業者として有名な大倉財閥の大倉喜七郎が財を尽くして作った、歌口が尺八、操作部はフルートのキーという楽器です。(演奏例はここ

吉田はそれを、その特長となると、フルートに及ばず、尺八に及ばずと、ばっさり切り捨てています。

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この話はまだ終わりませんが、長くなりましたので続きはまた明日ということでよろしく。


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「琴と尺八」の原本を読みました(その2) [推薦図書]

「琴と尺八」を読んだ話の続きです。

尺八と箏の演奏上の役割分担についても、それとなく習ってきたことですがこうして書きものになっているとより明確になります。
宮城の新しい曲では尺八を主とした曲では尺八に旋律をとらせ箏は伴奏をするけれども、三曲では尺八はあくまでも伴奏で箏と三絃の飾りになっているものです。調和を破ってブーブーやるのは間違った考えです。尺八が主になった曲は三曲にはありません。

また、古い三曲では尺八が尺八が初めから終わりまで、吹き通しに吹いていますね。箏と三味線の曲を尺八がその通り吹いてゆくんだから、いいところだけ吹くといいと思いますがね。という宮城の意見は新鮮です。
「松竹梅」の尺八譜だとB5版で6ページもあり、途中でページめくりをする暇もありませんから6ページを横並べに並べます。(尺八の譜面台は蛇腹式になっていて横に1m以上広がります。)

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箏の流派との関係も、いつも言われていることが書かれていて変わらないものだと思いました。
山田流は歌を聴かせることをメインにしていますから伴奏なしで歌い出す部分があったりします。そこに尺八の音が入ったりするものですから邪魔だと言われます。歌を生かすためには公刊譜どおりではいけないという部分もあるのです。

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「春の海」を有名にしたバイオリニストのルネ・シュメー女子のことも書かれています。半音の音律が高いという指摘です。
三曲の半音は平均律のよりも低く演奏しますからピアノとは合いません。(ピアノと合奏するときは平均律で調弦します。)

本の中で指摘しているのはバイオリンが平均律で弾かれていたということでしょうか。文脈からはそう読みとれるのですが、ピアノが入らない場合、バイオリンは純正律にチューニングされますから半音は低くなっていて問題ないはずですが、半音の下がり具合が違うのかもしれません。(これは今後の研究課題です。)

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フルートで日本式のメロディーを演奏すると、音階がはっきりしすぎて合わないという指摘も面白いと思いました。

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再び、尺八とフルートとピアノの音律の違いに言及されています。余程気になるみたいです。
reizanも最近やっとその違いを聴き分けられるようになりましたから、その気持ちがよくわかります。

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奥付を見てみましたら、1951年3月に発行されています。reizanが2歳11月の時ですから記憶に残っていない頃のことです。

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消費税がないころですから定価通りの220円で買えたのだと思います。1回のバス代ぐらいですが今とは物価が違います。
1951年は新聞の月間購読料が220円の年ですから、かなり高価な本の部類に入るのだろうと思います。
古本屋さんの¥1,800-という書き込みがあります。この値段だったら自分で買って持っておきたい貴重な一冊ですが、ネット検索では見つかりませんでした。また見たくなったら広尾に行くことにします。


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